物理実験198「光の進み方 ―ものの見え方の不思議―」
授業について
中学1年生で,光の進み方や規則性に関する学習をし,2つの像(実像・虚像)についても学んだと思います。この授業では,さらにその内容を深掘りします。なぜ水やガラス越しに物体を見ると,実物からずれて見えるのか。なぜ実像は上下左右が逆さまになるのか。そんな疑問を,実験を通して解決していきます。
実験の内容
実験1:透明な物体を通り抜ける光の道筋とものの見え方を調べる
- 視野に入っていなかった物体が,水の入った水槽をとおして見ることで,見えるようになることがあります。この現象をタブレットのカメラ機能を使って確認します。
- レーザーポインターを用いて,光が透明な物体を通るときの道筋を確認します。
- 水とガラスの屈折率を求めます。
水を通して物体を見るときと,ガラスを通して物体を見るときでは,物体の見え方に違いがあります。この現象を解明するために,水とガラスの屈折率を実験で求めます。
- 物質の屈折率と,ものの見え方を関連付けて考え,ものの見え方に関する理解を深めます。
実験2:凸レンズを通った光の道筋とものの見え方を調べる
- 曲面のある透明な物質を通して物体を見ると,逆さに見えたり,大きさが実際とは違って見えたりします。このような,ものの見え方の不思議を紹介します。
- 平行光が凸レンズを通ったときの光の集まる点(焦点)と,拡散光が凸レンズを通ったときの光の集まる点(像点)を確認します。
- 光源とレンズとの距離を変えたときの像点の位置を調べます。
光源と凸レンズとの距離を変えたときの像点の位置を測定し,どのような関係があるか実験を通して考察します。
- 像点の集合によって,実際の物体とは上下左右が逆になる像ができることを確認します。
- ここまでの実験を通して学んだことをもとに,像ができる位置を予想し,実際の像ができる位置を確認します。